コピー本ができるまで
- Chisato Mitobe
- 2017年11月21日
- 読了時間: 3分

先日、「黒の葬列」「砂時計シネラリウム」の二冊を発行しました。
通販の際、希望者にはおまけテキストとしてささやかなコピー本を同封させていただいたのですが、その作り方をここにメモしておきます。
仕様:本文A6/34P、平綴じ
①本文を作る
確か「アネモネ」の書式を再利用して本文を作成。
A5のコピー用紙をA6に(つまり半分に)カットして、自宅のレーザープリンタにて両面印刷。
熱によって紙が反ってしまうので本当はA4で印刷してカットしたいところだが、両面の位置が合わない・仕上がりがA6よりかなり小さくなってしまうなどの理由で断念。
平綴じとは書いたもののA5を二つ折りにして重ねるのではなくA6をそのまま重ねる方法を採ったので、面倒な面付けは必要なし。
印刷後、紙の反りが抑えられることを期待してアイロンがけをし、重石(THE CELLとEssential Cell Biology)をして一晩置いた。
翌日、一冊分ずつ纏めてホチキス止め。フラットタイプを使用、三箇所綴じた。
②表紙を作る
Illustratorでいつも通りに作成。
背幅は本文の厚さ1.5mmに+0.5mmで2mmとした。
マットペーパー0.12mmにインクジェットプリンタで印刷したが、本文と貼り合わせた時にホチキスの針が浮いてしまうので、0.21mmの方を使った方が良いのかもしれない。
まあ好みかな。
重要なのは背の部分に折り目を入れておくことで、紙の裏に、芯の出ていないシャープペン(インクの出ないボールペンでもスタイラスでも家にあるものでok)で背幅に合わせて二本、背を折る時の為の折り目を引いておく。
トンボに沿って表紙を切り出した後、この折り目に沿って背の部分を折っておくことでかちっとした角のある背を作れるので、〝コピー本らしさ〟とも言えるチープさがぐっと減る。

背が綺麗に折れているのが分かる
③本文と表紙を貼り合わせる
本文のノドの部分に(ホチキス止めした部分の上から)両面テープを貼る。表と裏、大体均等にテープが貼られるようにすれば、ホチキスの針が両面ともテープに隠れている筈。
両面テープは15mm幅のものを使用。百均などの安いものだと粘着力が弱いので、多少高くてもナイスタックなどを使った方が良いと思われる。
背に当たる部分は机に叩き付けるなどしてテープをしっかりと接着させる。この時、本文の紙が熱で歪んでいるとテープが均一に貼り付かず、表紙を付ける時に失敗する(した)。
剥離紙を剥がし、表紙の表2か表3からゆっくりと本文を貼っていく。ホチキスの針が浮き出ない程度に手でなぞって確実に接着させる(特に背はしっかりと)。
④化粧断ちをする
天地(上下)→小口(開くところ)の順で化粧断ち。これも仕上がりのクオリティを上げる為には不可欠な工程。
小口は裏表紙側から切ると本を開きやすいらしい。
本文の文章部分まで切ってしまわないように気を付けつつ、カッターで丁寧に切る。手は切らないように注意する。
化粧断ちをするので、完成サイズはA6よりも一回り小さくなる。
⑤完成
今回こうして作ってみて、背をきっちり作ること・化粧断ちの二点を守れば、コピー本だけどちょっと嬉しくなってしまうクオリティのコピー本が出来ることが分かった。
実は以前にも、(何故か家にあった)グルーガンを使って200Pぐらいあるコピー本を作ってみたことがあるのだけど、あの時は化粧断ちがさっぱり上手くいかなくて(当たり前だ)微妙な出来になってしまった。

問題のコピー本
しかしまああれは端からお遊びで(推敲用に印刷したものをふと思い立って本の形にしてみた)、今回のように適切なページ数で適切な手順に沿って作成すれば、それほど手間を掛けずに素敵なコピー本も出来る。
また機会があれば何か作ろうと思います。
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