衝動買いをした
- Chisato Mitobe
- 2017年3月25日
- 読了時間: 2分
少し前から読んでいた河出文庫の「NOVA1」を読み終わり、暫し感想など書きつつ冷静になろうとしていましたが、結局続刊の「NOVA2」と、単行本「自生の夢」を衝動買いしていました。
NOVA1に収録されていた短編の一つが「自生の夢」です。
ネタバレにならない程度に抑えて書くと、あらゆる書籍や音楽、映像の情報が集積した中(GEB)に誰もが接続し、そしてまた其処をクロールするAIが存在する世界、GEBを巣として情報を喰っては壊して猛威を奮う"怪物"が突如として出現し、その危機に対処するために"稀代の殺人者"である間宮潤堂を死を超えて喚び起こそう……という訳なのですが。
私が途中から冷静でいられなかった原因がまさにこの間宮氏であって、心臓にずどんと突き刺さってくる、それぐらい直球に好みを突いていたという……。
私自身は文章を読んでいる間、場面に即した映像や絵が見えているタイプなので、当然文中の描写に沿って間宮氏の外見というものもそれなりに見ていましたが、正直其処はそんなに好みではないです。背が低いとか、頭を丸めているとか、脚が短いとか。
だから内面ですね。心情はほとんど描写されないので、あくまで言動からの判断ではあるのですが。
とにかく自分の能力に自信を持っていて、折れない信念か信条かそういうものがあって、全てそれに沿っての行動や言葉であって、外部の因子に惑わされないで、そして言葉で人を刺し、殺す。
実際に死ぬところまでは流石に望んでいませんが、私も自分の書く言葉、文章で人を刺したいと数年前から思っています。
読んだ人の何処かに深く突き立つ言葉。
そして自分の中に一つの信念があり、理解され難くともそれに従って動く、ということへの憧れは十年近い昔、別の小説の主人公に感銘を受けて以来のものです。
ずっと憧れ続けていた二つを併せ持っていたのが間宮氏だったのだなと、読書中の胸の高鳴りを反芻しつつ思うのです。
いつか、憧れているだけでなく、厖大なGEBの奥深く、彼の前に立てるでしょうか。
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